「リフォーム済み」という言葉に、多くの方が安心感を抱かれるのではないでしょうか。確かに、新しくきれいな内装や設備は魅力的です。しかし、リフォーム済みの一戸建て物件を購入する際には、表面的な美しさだけでなく、本当に質の高いリフォームが施されているかを見極めることが重要です。
中古住宅市場では、見た目を良くするための最低限のリフォームだけを施し、構造的な問題や将来的なメンテナンス費用につながる箇所には手をつけていないケースも少なくありません。本当に価値のある物件を見極めるためには、プロの目線で確認すべきポイントを知っておく必要があるのです。
この記事では、リフォーム済み一戸建て物件を見学する際に、特に注意して見るべき箇所や、見落としがちなチェックポイントを詳しく解説します。これから住宅購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
リフォーム済みの中古物件を検討している方からの相談

リフォーム済みの一戸建てを何件か見学していますが、見た目はきれいでも本当に良い物件か不安です。プロの方から見て、リフォーム済み物件を見学する際に、特に注意して見るべき箇所や確認しておくべきポイントを教えていただけますか?
最近見た物件は築25年で全面リフォーム済みとのことでしたが、キッチンや浴室などの水回りは新しくなっていましたが、床下や屋根裏などは見ることができませんでした。表面上は見えない部分のチェックポイントや、リフォームの質を見極めるコツなどあれば教えてください。将来的に大きな修繕費用がかからない家を選びたいです。
【プロが教える】リフォーム済み物件見学のポイント
専門家の方々から寄せられた回答をご紹介します。
【水回りと内装のチェックポイント】
塗装工事業者より: 「まずは外観が綺麗になっているので安心はしますが、弊社としては内部の水回りではないでしょうか。トイレ、風呂、キッチンなど人が触るところがどれくらい取り替えられているか確認されるといいと思います。」
工務店より: 「隅々まできれいに処理されているか 、窓、ドアの開閉のスムーズさ 、水まわりが取替されているか 、クロスの張替がされているか」
【構造と施工品質のチェックポイント】
工務店より: 「床、壁が平行垂直に施工されているか?各部詳細の納まりがしっかりと施工されているか?床の軋みや床鳴きがないか?建具の建て合わせがしっかりと整っているか?などなど」
【リフォームの範囲と保証について】
空家コンサルタントより: 「どこまでリフォームされているのか(給排水管等の経年劣化も要注意)。保証期間について(メーカー保証や業者独自の保証の有無)。屋根・外壁のダメージ(内装はきれいでも外装は別。両方確認必須)」
【総合的な住宅性能のチェックポイント】
設計事務所より: 「居心地良さ、デザイン、機能性、断熱性、耐震性、耐久性など」
まとめーリフォーム済み物件見学チェックリスト
✓ 保証とアフターサービス
- リフォーム箇所の保証期間と内容
- メーカー保証と施工業者の保証の違い
- アフターサービスの有無と範囲
✓ 住宅性能の確認
- 断熱性能(窓の仕様、断熱材の有無)
- 耐震性(耐震補強の有無、耐震基準適合証明書の有無)
- 換気システムや空調設備の性能
✓ 見学時の心得
- 同行者がいると複数の視点でチェックできる
- 写真撮影の許可を得て、気になる箇所を記録する
- ホームインスペクション(住宅診断)の活用も検討する
- リフォーム工事の見積書や仕様書の提示を依頼する
リフォーム済み物件は見た目だけでなく、内部の状態や施工の質、将来的な維持管理コストまで考慮して選ぶことが大切です。専門家の同行や第三者機関による住宅診断の活用も検討されることをおすすめします。