「再建築不可物件、どこまでリフォームできる?」
「再建築不可物件」という言葉を聞いたことはありますか?価格が安く魅力的に見えるものの、「建て替えができない」という条件に不安を感じる方も多いでしょう。しかし、全くリフォームができないわけではありません。
再建築不可物件を所有している方、あるいは購入を検討している方にとって、「どこまで手を加えられるのか」は非常に重要な問題です。適切な知識があれば、制限の中でも快適な住まいを実現できる可能性があります。
本記事では、再建築不可物件の定義を確認した上で、実際に可能なリフォームの範囲や注意点、メリット・デメリットまで、建設のプロフェッショナルの視点からわかりやすく解説します。これから再建築不可物件のリフォームを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
お客様からよくある質問

田中さん(45歳・会社員)
「先日、格安で売りに出ている物件を見つけたのですが、『再建築不可』と書かれていました。価格的には魅力的なのですが、将来的に家族が増えたときに増築したいと考えているので心配です。再建築不可物件でも増築やリノベーションはどこまで可能なのでしょうか?」
佐藤さん(60歳・自営業)
「20年前に購入した我が家が再建築不可物件だということを最近知りました。年齢的にも建て替えるつもりはないのですが、古くなった水回りのリフォームや、バリアフリー対応の工事はできるのでしょうか?何か特別な許可が必要なのでしょうか?」
鈴木さん(38歳・専業主婦)
「築40年の実家を相続することになりました。再建築不可物件ということですが、子どもたちが住むには設備が古すぎるので、内装を全面的に刷新したいと思っています。外観はそのままで、中だけ大規模にリフォームすることは可能でしょうか?また、そのような工事の予算感も知りたいです。」
建設業のプロフェッショナルからの回答
【塗装業者】
リフォームでできること
- 内装工事(制限なし) • 壁紙の張り替え、床の張り替え • キッチン、浴室、トイレの交換 • 間取り変更(耐震性に注意)
- 外装の修繕・塗装 • 屋根の修繕、外壁塗装、窓の交換
- 設備の交換・導入 • 電気、水道、ガスの設備工事
リフォームでできないこと
- 増築・建て替え • 面積を広げたり、新たに建てるのは不可。
- 構造変更(特に大規模な工事) • 耐震補強のための壁の撤去や建物の高さ変更は要注意。
注意点・事前確認すべきこと
- 役所への確認: 施工前に市区町村の建築指導課に相談し、工事内容が問題ないか確認。
- 業者選び: 再建築不可物件に詳しいリフォーム業者を選ぶ。
- ローンの可否: 再建築不可物件は住宅ローンが組みにくいので、資金計画も重要です。
- 資産価値の把握: リフォームしても物件の売却価格は上がりにくいため、自己使用目的が主なケースとなります。
【工務店】
「建物の劣化具合によって手を入れるところは多岐にわたりますが、築年数が経っているのであれば某ハウスメーカーさんのように新築〇っくりさんのように基礎、躯体残しで傷んだ躯体は修繕し、基礎補強と耐震強度も高める事が出来ます。完成後は新築そのものです。」
予算の目安: 「500~1000万円」
【設計事務所】
「建築物件の立地や現状の程度によるが、全体のリフォームが出来る可能性あり」
【空き家コンサルタント】
予算の目安: 「戸建ての場合、広さや設備のグレードにもよりますが1000万円前後見ておいた方が良いでしょう」
まとめ:再建築不可物件でもできるリフォームの範囲
再建築不可物件でも、多くのリフォーム工事が可能です。各専門家の意見をまとめると以下のようになります:
- 基本的なリフォームはほぼ制限なし
- 内装工事(壁紙・床の張り替え、水回りの交換、間取り変更)
- 外装の修繕(屋根修繕、外壁塗装、窓の交換)
- 設備工事(電気、水道、ガス)
- 大規模リノベーションも可能
- 基礎・躯体を残して全面リフォームが可能
- 耐震補強や基礎補強も実施可能
- 結果として「新築同様」の住み心地を実現できる
- できないこと
- 増築(面積を広げること)
- 完全な建て替え
- 一部の大規模な構造変更
- 予算の目安
- 500万円~1000万円程度
- 物件の状態やグレードにより変動
- 重要な注意点
- 施工前に必ず役所に確認する
- 再建築不可物件に詳しい業者を選ぶ
- 資金計画をしっかり立てる(ローンが組みにくい)
- 資産価値向上よりも自身の住環境改善が主目的となる
再建築不可物件であっても、適切な知識と計画があれば、快適な住まいへと生まれ変わらせることは十分可能です。ただし、将来的に増築ができないため、現在の間取りや広さで長期的に生活できるかどうかを十分に考慮することが大切です。