リフォームって和製英語ですか?

外国人に英語が通じない女性のイラスト。いらすとや

住まいの改装や修繕を考えるとき、よく「リフォーム」という言葉を耳にしますよね。工事の看板や広告、テレビ番組でも当たり前のように使われているこの言葉、日本では建設業界の常識として定着しています。でも、海外の方と話すとき、「リフォーム(reform)」と言っても通じないことがあるという経験はありませんか?実は「リフォーム」という言葉は和製英語であり、英語本来の「reform」の意味とは異なる使われ方をしています。今回は、建設業界でよく使われる「リフォーム」という言葉の由来や、「リノベーション」「リモデル」など英語での正しい表現について詳しくご紹介します。住まいの専門用語を正しく理解して、より良い住宅改装計画にお役立てください。

よくある質問:リフォームの言葉の使い方について

外国人に英語が通じない女性のイラスト。いらすとや

田中さん(45歳・マイホーム購入5年目)
「リフォームって英語だと思っていたのですが、外国人の友人に通じなかったんです。『reform』という英語はあるけど、日本での使い方とは違うのでしょうか?」

鈴木さん(38歳・中古マンション購入検討中)
「不動産広告でよく『リフォーム済み』と書いてありますが、英語で正確に伝えるなら『renovated』と言うべきなのでしょうか?海外ドラマでは別の言葉を使っているような…」

佐藤さん(52歳・一戸建て住まい20年)
「うちの壁紙を新しくしたいのですが、これは『リフォーム』と『リノベーション』のどちらになるのでしょう?日本語と英語での言葉の使い分けがよくわかりません」

山田さん(41歳・建築関係の仕事)
「お客様に説明するとき、『リフォーム』『リノベーション』『リモデル』『スケルトンリフォーム』など似た言葉がたくさんあって混乱します。それぞれの違いと英語での正しい表現を教えてください」

伊藤さん(60歳・定年後の住まい計画中)
「海外では住宅の改装工事を『renovation』や『remodel』と呼ぶそうですが、具体的にどのような工事の違いがあるのでしょうか?日本の『リフォーム』はどの英語表現に近いのか知りたいです」


回答まとめ

はい、「リフォーム」は和製英語です。英語の「reform」という単語に由来していますが、日本では住宅の改装・修繕を指す意味で独自に発展しました。英語では住宅の改装を表す場合、「renovation(リノベーション)」や「remodeling(リモデリング)」という言葉を使います。

リフォームの言葉の意味と由来

専門家からの回答

赤塚工務店(工務店): 日本語では、住宅の改装を指して「リフォーム」と言いますが、このような用法は完全な和製英語です。英語で、日本語のリフォームと一番意味が近いのは “renovate(リノベート)” です。古くなった住宅などを住みやすく改装することを意味します。なお、「改装」と名詞で言いたい場合は “renovation(リノベーション)” になります。日本でもリフォームの代わりにリノベーションを使う企業が増えてきたので、聞き馴染みのある人も多いでしょう。建物の構造に手を加える大がかりなリフォームは “remodel(リモデル)” で表します。なお、remodel と同等の大がかりなリフォームを、日本語では「スケルトンリフォーム」と呼ぶこともありますが、これも和製英語です。

中谷塗装工業(塗装業者): 英語の “reform” は、本来 「改善する」「改革する」 という意味で、社会制度の改革や法改正など大きな変化に使われます。日本では、家や建物の修繕や改装を指す言葉として「リフォーム」が使われるようになり、独自の意味が定着しました。英語では、Renovation(リノベーション):古い建物を修繕・改装して新しくすること。つまり、日本語の「リフォーム」は英語の「Renovation」に近い意味で使われています。

シライ(内装業者): はい、リフォームは和製英語です。『リフォーム』は英語の「reform」から派生した和製英語で、本来は「改善」や「刷新」を意味していました。しかし、日本では住宅や建物の改修・修繕を指す用語として独自に発展し、一般家庭や施設の改装に広く用いられるようになりました。この用法は日本独自の文化的背景のもとで生まれ、建築関連業界で広く定着しました。

よくある質問と解説

リフォームと英語の「reform」の違い

英語の「reform」は主に「政治改革」「教育制度の改革」など社会的な改革を指す言葉として使われます。住宅の改装という意味では英語圏では使われず、このような用法は日本独自のものです。住宅の改装を英語で伝えたい場合は「renovate」または「remodel」を使うと正確に伝わります。

不動産広告の「リフォーム済み」を英語で表現すると?

不動産広告で「リフォーム済み」を英語で表現する場合、「renovated」または「newly renovated」が適切です。例えば「Renovated apartment for sale」(リノベーション済みの販売アパート)といった表現になります。工事の規模によっては「remodeled」も使われます。

壁紙の張り替えは「リフォーム」と「リノベーション」のどちら?

壁紙の張り替えのような小規模な工事は、日本では一般的に「リフォーム」と呼ばれます。英語では、この程度の小規模な改装や修繕は「home improvement」や「interior update」と表現されることが多いです。日本語での「リノベーション」は最近、建物の構造や間取りに手を加えたり、デザイン性を重視した大規模な改装を指す傾向があります。

建築関連用語の違いと英語表現

リフォーム:日本独自の言葉で、住宅の修繕や部分的な改装を指します。英語では工事の規模により「renovation」や「home improvement」に相当します。

リノベーション:日本では大規模な改装や機能向上を指します。英語の「renovation」に相当します。

リモデル:建物の構造や間取りを変更する工事を指します。英語の「remodeling」がそのまま対応します。

スケルトンリフォーム:これも和製英語で、建物の柱や梁だけを残して内装を全て撤去し、新たに作り直す大規模工事を指します。英語では「gut renovation」や「complete gut job」と表現されます。

海外での住宅改装工事の表現の違い

Renovation(リノベーション):既存の建物を修復・更新する工事全般を指します。古い要素を修復したり、新しくしたりする作業が中心です。

Remodeling(リモデリング):建物の構造や間取りを変更する、より大規模な工事を指します。

日本で一般的に「リフォーム」と呼ばれる工事は、その規模によって英語の「renovation」か「home improvement」に近いと言えます。

まとめ

専門家の皆様からの回答を総合すると、「リフォーム」は和製英語であり、英語の「reform」とは異なる意味で日本独自に発展してきました。住宅改装を英語で表現する場合は、工事の規模や内容によって「renovation」「remodeling」「home improvement」などを使い分けるのが適切です。

建設業界では、これらの言葉の違いを正確に理解し、お客様にも分かりやすく説明することで、工事の内容や規模についての認識のずれを防ぐことができます。日本の住宅改装市場の特性を反映した独自の用語として「リフォーム」が定着していますが、国際化が進む中で、英語圏での正確な表現を知っておくことも重要です。

地元の建設業者の皆様には、お客様とのコミュニケーションをより円滑にするため、これらの用語の違いを理解し、適切な説明をすることをお勧めします。お客様にとっても、自分の希望する工事内容を正確に伝えるために、これらの用語の違いを知っておくことは有益でしょう。

この記事の監修・取材協力